橋本市から万博に向けて
紀州へら竿
へら竿は、ヘラブナを釣る専用の道具で昭和初期にその形を完成させ、親方から弟子へと受け継がれてきた伝統工芸品です。釣り竿に適した良質な竹が豊富であったこの橋本市で盛んに作られるようになりました。原竹の切り出しから完成までその工程は130以上あり、すべて手作業で、1人の職人が半年掛かりで丹精込めて仕上げます。へら竿は、魚と釣り人とが対話を愉しむ究極の竿で、ヘラブナ釣り憧れの竿として今日も息づいています。
高野口パイル
橋本市高野口町は明治時代からパイル織物(別名:シール織物・シールメリヤス)の生産地として知られ、日本一の生産高を誇っています。パイル織物とは織物の基布に毛(パイル糸)が織り込まれている有毛布地(ゆうもうぬのじ)のことで、現在ではエコファー(フェイクファー)から電車の座席シートまで日常に溶け込んでいます。高級感あふれる織物で、毛が抜けにくく丈夫で長持ちするのが特徴です。
高野山麓精進野菜のブランド化に取り組んでいます
金剛峯寺創建時より山上は境内地であり、たとえ草木、野菜でも収穫することは殺生に通じるということで耕作が禁じられていたため、橋本をはじめ、山麓の農村集落が食料供給地としての役割をはたしてきました。地域の住民が高野山に納める品々は、お大師様(弘法大師 空海)にお供えや、宿坊での精進料理として参詣者にふるまわれるなど、様々な用途に利用されてきました。特に、高野山に納める野菜は、お大師様にお供えすることからも、高品質で安全かつ美味であることが求められ、それに見合った栽培方法や土づくりが行われてきました。
橋本市では、生産者や和歌山県・JA等の関係機関の協力のもと、高野山麓農産物産地化協議会を立ち上げ、かつての栽培資料を元に、肥料・農薬等の使用法を見直すとともに、専門家を招聘し、先進の土づくりにも取り組むことで基準を改め、新たなブランド野菜として確立できるよう取り組んでいます。
オムレツの街はしもとのはしもとオムレツ
橋本市高野口町は明治時代からパイル織物(別名:シール織物・ 橋本市では地元の地域資源を活用した『オムレツ』の街としてPRするとともに、「食」を通じた「はしもとブランド」の推進を行っていきます。はしもとオムレツは、橋本市の地域産品を使って、各店舗が工夫をこらし、メニュー化したオムレツの総称で、和風、洋風、中華風などを問いません。豊かな自然観光で育ったさまざまな農産物を、卵でフワッと包み、本市を訪れた人に食べていただくことで、「橋本」を感じていただく新たな「おもてなし」の形です。